フジモンのゴールから早3週間。
マリノスは3勝1敗の勝ち点9で、いまのとこ3位をキープしています。
ということで、これまでの試合を簡単に振り返ってみます。
エスパルス戦は多くのチャンスがありながら追加点を奪えず、
大前の偽ゴールにヒヤヒヤさせられた試合でした。
あの「指差し」に一体どれほどの人が騙されたことか…。
はい。世の中、どんなビッグクラブも事故で1点は失うものです。
ですから、いかにして2点以上を奪うかが勝ち点を積み上げるカギになるわけです。
そういう意味で、ヴォルティス戦は理想的でした。
セットプレーで2発。終了間際にさらなる追加点。そして無失点。
こういう試合運びができれば、今シーズンも間違いなく優勝争いができるはず!
…しかし現実は甘くありませんでした。
なんなの!!あのヴァンフォーレ戦は!!
いや、ヴァンフォーレはいいよ!
あれがヴァンフォーレの「スタイル」なんだから。
内容がどうであれ、あのサッカーで勝ち点を稼いでいくことを信念としてやっているのだから。
でも、マリノスは違うよね?
あんなサッカー、マリノスの「スタイル」じゃないでしょ!
どうせ負けるんだったら、自分たちの信念を貫かんかい!!
次につながる試合をせんかい!!
そう思いたくなる試合でした。
二度とあんな試合は見たくないですし、早く忘れ去りたいくらいですが、
せっかくの機会なので振り返ってみます☆☆☆
ヴァンフォーレ戦、いろいろとおかしな点があったのですが、
まずはこのシーンから。前半33分のとこです。
前線の4人に注目してみてください。ちなみにボールホルダーは下平です。
【ここがヘンだよ①】4人が縦に一直線に並んでいる
【ここがヘンだよ②】FWのスタートポジション低すぎじゃない?
【ここがヘンだよ③】最初から相手DFから離れすぎじゃない?
①4人が縦に一直線に並んでいる
→4人で前後の関係を作らなければならない。
相手ゴールに近づくほど、マークを引きはがす作業が必要になるわけです。
そのためには、まず相手DFを撹乱させないといけません。
その一つの方法が「前後の関係を作る」というものです。
バイタルエリアの前と後ろでそれぞれ選手がいれば、相手DFは「裏へのボール」と「くさびのボール」の両方を意識する必要が出てくるからです。
その結果、DFのポジショニングがバラバラになって、ギャップ=スペースが生まれるわけです。
で、ボールを動かされるとマークもバラバラになるわけです。
逆に言えば、DFからすると自分たちが一直線でいられる=正規のポジションでいられるのは非常に楽なわけです。
②FWのスタートポジション低すぎじゃない?
→攻撃の基本は「深さ」と「幅」を作ること。そして前線の仕事は「深さ」を作ること。
DF視点からすると、味方との距離が遠いほど守備がやりにくくなります。
わかりやすいシーンで言うと、「学と1対1を作られているのに自分のカバーをしてくれる味方DFがいない」といったところでしょうか。
味方が近くにいないと、チャレンジ&カバーができません。
学のようなドリブラーは、カバーしてくれる選手がいなければ終わりです。
ということで、基本的に味方が近くにいればいるほど(正規のポジションにいるほど)、守備はやりやすいのです。
ですから、攻撃側としてはいかにして相手DFを広げるかがポイントとなります。
その方法の一つが、FWに高い位置をとってもらうことです。
で、ロングボールを蹴ったりして、相手のDFラインを下げていく、と。
それなのに、4人ともポジションが低すぎる!
相手はくさびのパスだけ意識すればオッケーな非常に楽な展開…。
③最初から相手DFから離れすぎじゃない?
→相手の視野から外れたときにチャンスは生まれる。
もし仮に4人がDFの近くにいれば、裏へのボールに先に触れる可能性が高まるし、
くさびのパスを受けるためのスペースも確保できる。
でも、これだけ距離があると、相手の視野から外れないので、さっさと対応をされてしまいます。
一人でもいいからDFに近いポジションをとっていれば、攻撃の選択肢が増えていたと思います。
結局このシーンは、下から2人目の翔さんがその場でパスを受けただけで、何も起きませんでした。
さてさて、次の画像からはサクサク行きますよ!笑
俊さんがパスを受けて、前線の翔さんとヒョーが動き出すシーンです。
二人とも裏への動き出しを選びました。
ここまでは別にいいんですよ。
でもここで問題なのは、先ほどの【ここがヘンだよ①】です。
これ、二人ともほぼ同じ直線にいます。
この時点では別に構わないんですが、
最終的にはどちらかが前、どちらかが後ろのポジションを取らなくてはいけません。
マストではありませんが、その方がスペースを有効に使えるのです。
しかし実際には…
そのまま平行に走ってしまいました。
俊さんはあきらめて隣のカンペーにパスしてます。
どちらかが裏への動き出しをフェイントに使えば、黒丸部分のスペースを使えたはず。
もしくは黒丸の右にいる優平が空いたスペースに走りこんで、前線からの落としを受けるとか。
まぁ結果論なんですが、前線二人が作り出したスペースを使おうとする意識もないんですよね。
コンビネーションの欠片もないというか…。残念。
次もまったく同じシーンです。
俊さんがボールを受ける→前線の二人が動き出す。
同じ方向に動き出す→…
→ボールは届かずクリアされる。
で、問題なのはさっきと同じように、空いたスペースに誰も走りこんでいないこと。
二人のうちどちらかが止まってボールを受けるとか、三人目の動きで誰かが入ってくるとか、そういった工夫がない。
ちなみに黒丸左下にいるのは優平です…。せめて走り込めよ…。運動量で勝負する選手でしょうが…。
いやね、もはや個人が動きたいように動いているだけで、
連動性が一切無いわけですよ。
勝負に出るパスもないし、
崩すための意思統一も見られないし、
そういう意識が足りないところがヒジョーに残念でした。
まぁヴァンフォーレも良かったんですけどね。
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もう少し続きます。
ここからが大事なとこです。
ヴォルティスとの試合から良かったとこを挙げて終わりにしたいと思います。
まずはこれ。
先ほどの【ここがヘンだよ】をすべてクリアしているシーン。
左端の勇蔵がボールを受けるとこです。
で、右端がフジモン。
よく見ると、フジモンも含めて3人が前線にいますね。
この時点で【ここがヘンだよ】の②と③はすでにクリアしています。
問題は①です。3人とも平行な中、ここからどうやって「前後の関係」を作り出すか。
ここ、すごく細かいんですが、フジモンの動き出しに注目です。
っていうか、画像じゃ伝わらないと思いますので、どうにかして実際の映像を見てください(笑)
これ、ビミョーに裏に抜けだそうとしているんですよ。
ちょっと体重を相手ゴール側に乗せてるんです。
で、マークのアレックスもそれにつられて、裏への動き出しを意識してしまう。
でも、それはフェイントで、実際はくさびのパスを受けるのがフジモンの狙い。
プッシュアウェイって動きですね。
で、アレックスは見事に動き出しが遅れてしまうと。
さて、フジモンがくさびを受けにいきました。
では上にいる翔さんはどうするかというと…
フジモンが作ったスペースに走り込もうとします。ナイスアクション!!前後の関係が完成です。
と同時にフジモンはフォローに来たカンペーにボールを落とします。
あとはカンペーがスペースにパスを送るだけ!!!
なのにミス!!!!ボールが真上に行っちゃったよ!!!!もったいないよ!!
とはいえ、いいコンビネーションでした。
しかも、さらに付け加えると、
フジモンはパスを出した後にちゃんと次の動き出しをしているんですよ。
おそらく、翔さんが裏でボールを受ける→サイドに流れる→中央にクロス→フジモンがシュート…といったとこでしょうかね。
このときフジモンが描いたゴールまでのイメージは、間違いなくチームメイトも共有できていたはずです。
次も同じシーンです。
中町がボールを受ける。
右端がフジモン。
プッシュアウェイ。
フジモン、くさびを受ける。
フジモン、中町にリターンパス。
空いたスペースに翔さんが走る。
中町がスペースにパスを出す…というコンビネーション。
残念ながら、翔さんまでボールは来ませんでしたが、これもいいコンビネーションでした。
と、こんな感じです。
ちゃんと連動してたんですよ。ヴァンフォーレ戦を除いて。
結局、ヴァンフォーレ戦とそれまでで何が違ったかと言うと、
「学とフジモンがいなかった」
ということになるでしょうか。
学についてはtwitterの方で簡単に説明した通り。
そしてフジモンについていえば、ヴォルティス戦のゴールも含めた「動きの質」。
これに尽きると思います。
すなわち、ヒョーと優平のセットでは個の力という点で弱いのだと思います。
試合を決定づけられる選手がいないと、ヒョーも優平も輝かないのかなぁと。
次の鹿島戦、誰がスタメンになるかわかりませんが、
いずれにしても、ヴァンフォーレ戦の反省をどうやってプレーに反映させてくるか、
とても楽しみになりました。
心が少し晴れやかになったところで、今日はおしまいにします。
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おまけフジモン。
ヴォルティス戦、フジモンはプッシュアウェイやりまくりで、アレックスを完全に操っていました。
で、ちょっとおもしろいシーンがあったので、それを紹介してほんとの終わりです。
俊さんがボールを受ける。
左上がフジモン。
わかりにくいかもしれませんが、フジモンの隣がアレックスです。
フジモンのプッシュアウェイ発動!!
アレックスは裏へつられる!!
そして、フジモンの動き出しに遅れてしまう…!?
アレックス、まさかのステイ!!!棒立ち!!!
もはやフジモンの動き出しについていこうとさえしません。
下手に動いて自分の裏にスペースを作ってしまうのを嫌がったのかもしれませんね。
左足のテクニックに目が行ってしまいがちですが、
本当にレベルの高い選手です。
鹿島戦もやってくれるんじゃあないかと期待しています。
お わ り