2011年11月28日月曜日

フロンターレ戦のちょっと良かったトコ。


まぁ、ひどい試合でした。
名古屋戦の方がよっぽど良かったと思います。


ひとまず、大黒とタニの2トップについて。

大黒には裏へ抜け出させるためのロングパス。
タニには競り合ってキープさせるためのロングパス。

二人の長所を生かしたサッカーをやろうとしてたみたいですが、
とことん跳ね返されてましたね。
でも、ロングパスなんてそんなもんですよ。
中盤を省略するわけだから、ローリスクローリターンになるのは当たり前。
ローリスクハイリターンなんちゅうおいしい話はピッチの中にだって外にだってありません。

…だから、ロングパス中心のサッカーってつまらないんですよね。
ワクワクドキドキ感、まるで無しですからね。
とは言え、有効な手段になり得る状況もあります。
例えば、リードした状態で迎えた後半ラスト10分とか。
カップ戦の1stレグに勝った後の2ndレグとか。
そういう「失点さえしなければ勝てる!」という状況のことです。

というわけで、戦力があまりに乏しいチームを除いて、
普通はロングパス主体に責めないんですよ。普通は。
だって、試合は0-0から始まるんですから。


で、フロンターレ戦に戻りますが、
ロングボールばっかりで中盤から崩して攻める形が見られず、とても残念でした。
何のために森谷を入れてたのか謎です。

と言いつつも、良かったシーンを2つ。
パスカットで森谷にボールが渡る場面。














森谷くんはパスを受ける直前に前をチラリ。
この一瞬でどれだけ情報を得たかはわかりませんが、
少なくとも相手との距離、前にあるスペースを確認。
そのスペースへドリブルします。
(パンゾーがまだ最終ラインにいることもわかっていたはず…だからあえて…)















だからあえて、左を向いてドリブルしたんです。
「ぼくは気づいてません!パンゾーが上がってきてることなんて知りません!」
とでも言ってるかのように。
結果、素知らぬ顔でドリブルし、タメを作った上で切り返して右サイドのパンゾーにパス。
パンゾーの前には広大なスペースが…!
ちなみに手前の俊輔の前にも広大なスペースが…!
そりゃそうだ!!
中央で森谷くんがマーク引きつけてるんだから!!


でもこれって、ちょっと見方を変えたら危険なシーンとも言えます。
もし取られたら一気にカウンター喰らいます。
その代わり、打開できたらこっちのチャンス…ビッグチャンス…

ミドルリスクミドルリターンってとこでしょうか。
でも、だからこそドキドキワクワク感が出てきますよね。
面白いなぁって思えますよね。


次の場面も似たようなもんです。

最終ラインの中澤から中盤の俊輔へ。











すかさず相手2人がプレスに来ます。
そして、俊輔が選択したのは…


 

 










その相手2人の間を突いた森谷への縦パスでした。
この場面、安全に行くなら前線へロングパス。もしくはパンゾーor小椋へのパスでしょう。
でも、リスクを負って森谷へのパスを選んだんですよ、俊輔は。
だって、一番チャンスになりやすいんだから。
実際、フリーで前を向けた森谷はパンゾーとサイド崩す直前まで行きました。
ほんの少しのズレでフィニッシュまでは持っていけませんでしたがね。
それでも十分に可能性のある攻撃でした。
(ちなみに、俊輔のパスはダイレクトかつノールックでした。どんだけ自信あんだい、あんたは。)
横の関係でなく、縦の関係の俊輔&スーペル。

この試合で一番のお気に入りのシーンでした。 


以上でマリノスの良かったシーンはおしまいです。
で、本当は見せしめにフロンターレの攻撃シーン(もちろん中盤からの崩し)も紹介しようと思ってたんですが、
文を書いてたら少しずつ希望が湧いてきたので中止します(笑)


いやね、ロングボールをやめろって言ってるわけじゃないんです。
失点のリスクも考慮しないといけないわけですしね。
ただもう少しだけ、希望を抱かせてくれるサッカーが観たい、
胸を踊らせてくれるサッカーが観たい、
それだけなんです。
そして、それができる面子がいることがわかってるからこそ、悔しいんだなぁ。



結果と内容に悲観してましたが、
それでもやっぱり希望は埋もれてるもんだ。うん。

2011年11月20日日曜日

勇蔵の縦パスはいいと思うんですけどね!!


前節の甲府戦ではマリノスがポゼッション優位に試合を進めることができてました。
その恩恵として、
自分たちでボールを動かす間に、サイドバックの金井がゴールライン付近まで上がる。
そこに勇蔵がロングパスを通す、なんていう大技を何度も繰り出してました。

で、昨日の名古屋戦。なかなかボールを動かせませんでした。
スーペルが機能し始めた後半途中までは特に。
当然、サイドバックが奥深くまで侵入できる時間もなければ、相手マークも動かせず。
結果的に、勇蔵のロングパスは不発に終わりました。

ということで、もう一つのパターンの登場。
いわゆる例の、中盤への中央突破型グラウンダーパス()です。

まずは失敗例から
小椋からボールを受けた勇蔵。
相手2人の先に兵藤を発見!パスっ!!


カット!!
→カウンター!!!

…いやぁ。惜しい。
カットした藤本ですが、
実は勇蔵がパスを出すちょっと前に兵藤をチラリと見て、ポジションを微妙に修正してます。
勇蔵の中央突破型グラウンダーパス()が頭にあったのでしょうね。
まぁ、バイタルエリアを意識するのは基本ではありますが。
それをふまえた上で、いかに縦パスを通すかが勇蔵に求められている部分でもありますよね。



では、成功例。

なかなか攻め切れず、最終ラインの勇蔵までボールが戻ってきたシーン。

勇蔵はドリブルでセンターラインまで上がり俊輔目指してグラウンダー!!

見事に通り、修輔は兵藤に落とす。
ここで代表だったらケンゴやら香川やら長友やらが絡んで左サイドを突破しちゃうんですが、
金井は相手最終ラインの前で止まり、
俊輔はダニウソンの横にできたスペースに目もくれず、
兵藤は何の仕掛けもせず俊輔にボールを戻す…


これは本格的にまずい。。。
いい形で縦パスが通っても何も起こらないんじゃ…


暗い話はちょっとまた今度にして、
何故にこのシーンでは勇蔵の縦パスが通ったのか、という点について。

先ほどのシーンと同様、藤本は俊輔の位置を確認して縦パスを警戒しました。
ところが、やっかいな存在が藤本のポジションを自由にさせませんでした。
それが金井。
金井にパスが通れば俊輔とのコンビでサイドを突破されるリスクがあったもんだから、
藤本は俊輔と金井の両方を意識したポジション取りをしました。
それゆえ、縦パスを通せるスペースができてしまったわけです。

ということで、
勇蔵は縦パスを狙いつつも、最初に挙げたように完全に道を塞がれたら、
簡単にサイドバックの金井に渡せばいいわけで。
金井も勇蔵がボールを持ったら、縦に走るなどして相手を撹乱すると。
そうやって相手にサイドへのパスと縦へのパスの両方を意識させればいいわけですよ。ええ。


…問題はその後…アタッキングサード…
…その前にカウンター…得点パターンが見えん…

2011年11月19日土曜日

スーペルの良いトコ悪いトコ~すげぇヤツが出てきやがった~


リーグ戦初スタメンのスーペル。
今日の試合では良い面と悪い面の両方が出ていました。

まず、失点の原因にもなってしまったディフェンス面について。
もちろん、守備専の選手ではないことは考慮しなくてはならないけれど、
ちょっと頂けないシーンがいくつかあったので。

ではいきなり失点シーン。

まぁ、すでに右サイドやら何やらとパスを回されたせいで藤本がバイタルでフリーなわけで。
で、スーペルは小川のマークに行くも藤本にパスを通される。
問題はこの後。



なんでついていかん!!

ワンツー、しかもトップスピードについていくのは大変なのは百も承知。
それでも、バイタルの中央でパス交換されてんだからここは何があってもついていかんと…

ただ、この失点はスーペルのせいだけでなく、
藤本を青山に任せたけど時すでに遅く、
リターンをもらいに行った小川を森谷に任せたオグも何だかね。


話を進めまして、同じようなシーンが他にも。
黒丸がスーペル。
おまえさんが小川についていかんと数的不利になるで!!
絶対についていけよ!!! 
…逆に距離が広がってるじゃんか…

  
もう1つ。
おっ、今度は小川がいることをしっかり確認したね!
マークよろしく!! 

 どうしてそこでサボるのっ!!!!
 カバー精神はどこいった…

ラスト。
 うん。パスを通されたのは仕方ない。うん。
 そのあとしっかり!!


うーん…うーん…
失点と同じようなシーン。
守備での森谷と小椋の関係はどうなってるのでしょうかねぇ。
まぁ、基本的に森谷がしっかりとマークしに行くってのがお約束ではありますが。。

とりあえず、
・自分のマークに責任を持ってついて行きんしゃい!
・攻→守への切り替えをすぐにしんしゃい!守備の意識をもっと持ちんしゃい!
・オグとのコンビに期待


さて、良かったのはもちろんオフェンス。
スーペルの特長が最もよく表れていたシーンがこちら。
パンゾー(パンゾー!パンゾー!)がサイドでボールを持った場面。
スーペルはパスコースを作り出すため15メートルダッシュで戻る。
(この時間帯でここまでしてパスコース作ってあげるなんて…)
パスを受けると今度は20メートルドリブルでバイタル近くまで侵入。
(戻ってきたばかりなのに、またすぐに走り出すなんて…しかも同じ道…)

ペナ前のタニにパス!
(あとはタニが前を向いて、シュートでも後ろから上がってきてるヒョーにパスでも何でも…)
→トラップミス!!

この直後のプレーでファウル→俊さんゴール!


…というように、
・中盤でのパスコース作り
・バイタルへの縦パス
で、攻撃のリズムを作ってました。
特に後半のスーペルは出色の出来。
ワンタッチでプレス外すや一本の縦パスでビッグチャンスなどなど…

もはや俊さん+スーペル中心に物事を進めていけば色んな問題が解決しそう。





まとめると、
スーペル=希望の光

2011年11月18日金曜日

勇蔵のビルドアップをほんの少し


勇蔵くんのビルドアップについて少し。
何ができて、何ができないのか整理してみようの回。

最初に2つのパターンを。

①サイド奥深くへのロングパス

自身のキック力を最大限に活かした中盤省略パス。
以下、前節甲府戦より。










マイボールになるやドリブルで中盤に侵入する勇蔵くん。














プレスを無効化し(と言いつつ、初めから勇蔵ノーマーク)
ロングパス!











見事成功!
でも受け手が大黒!ゴール前に誰もいない!!

続いて、本当の成功例。











やはりノーマークの勇蔵くんは、ロングパスを選択。











上がっていたサイドバックの金井へドンピシャ。
この後、アーリアがクロスを上げるも得点ならず。でも良い攻撃!


②中盤への中央突破型グラウンダーパス

同じく甲府戦より。











中盤から戻ってきたところで…












まるで最初から敵など居なかったかのように、縦にギュイーーンッ!!











俊さんの足元にぴたり。
前を向いて1対1を作り出しているゥ!パゥパウ


北朝鮮戦より。











相変わらずノーマークの勇蔵くん。












縦にギュイーーンッ!!で清武へ最高のパス!!
…おいっ!長谷部に落とせやコラ!!そのまま裏へ抜けだせやコラ!!!




というように、
勇蔵くんのビルドアップパターンとしては主に上の2つが挙げられますね。
ただ、①ですが、ろくに後ろで時間を作らずに適当にロングパスを送っても、
大黒か谷口に渡るだけでゴール前の迫力がまったく出ません。
バックラインや中盤でボールを動かしつつ、サイドバック(主に金井)がこっそり上がる
時間を作ってあげないと意味なし。
②はグー。


で、問題の苦手なパターン。











フリーでボールを持ち、さぁ好きなように蹴りなさい!










ロビングボールで中盤へ!はい!カット!!











サイドから前線へロビングボール!!











はい!敵にパス!!!


…ってな具合に、中途半端なセミロングのパスはまるでダメな勇蔵くん。
焦らず、近くの味方に預ければいいのに、
フリーに見える遠くの選手にパスを出してしまう勇蔵くん。


もはや、ロングパス一発か、
中盤への鋭いグラウンダーのパスに絞って選択していいと思うんですけどね。
マリノスでは中澤よりもはるかにビルドアップの能力は上です。
がんばってる方です。


問題は代表の方で。
代表では①のパターンが出せない、というより必要ないんですよね。
サイドバックを裏へ走らせるのは、遠藤・香川・ホンダ(ケンゴ)にやらせておけば問題ないわけですし。
それよりも、いかに遠藤・長谷部に前を向いた状態でパスを渡せるか、の方が重要です。

そこで②のパターンですよ!
ただ単にサイドに散らすとか、たまにロングを蹴っておいて、
大事な所で一本、中盤に縦パスを通す…



とにかく勇気を出して縦パスを狙うのと同時に無謀なパスを減らせば、
ビルドアップで文句は言われないでしょ。特にマリノスでは。